2011年11月17日木曜日

ナント人権よりも中国へのご機嫌取り?

●法輪功メンバーを強制送還

 本国政府の弾圧を逃れ、韓国に滞在中だった中国気功・法輪功の学習者が「不
法滞在」を理由に強制送還されているとし、韓国政府への批判が上がっている。
彼らの多くは難民申請をしているが、中国との関係を損ねかねないとする政治判
断が働いてか、却下され続けている。
(ソウル・上田勇実)
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●メディアも“報復”恐れ尻込み?

 法輪功は1990年代前半に誕生した中国の気功の一つで、最初は江沢民国家主席
も積極的にこれを奨励していたとされる。だが、爆発的に勢力を伸ばし始める
と、共産党一党支配の脅威になると判断した中国政府が弾圧に乗り出した。学習
者は活動の舞台を海外に移しながら反政府色を強め、中国人に共産党離党を呼び
掛ける運動も展開している。

 韓国にも現在、約100人が滞在しているが、法務省は観光ビザなどで入国して
きた彼らが、その後、オーバーステイとなったことを理由に取り締まりを続けて
いる。韓国法輪大法学会によると、2009年7月以降、10人の中国人学習者が韓国
から中国へ追放された。先月もある男性学習者が出入国管理事務所の職員らに連
行されていくという出来事があり、一部マスコミが「韓国政府による強制送還」
と報じた。

 強制送還とは穏やかではないが、政府批判には理由がある。本国での迫害を逃
れるために来た彼らの多くが事実上の「難民」であるためだ。韓国は「特定の社
会的集団の構成員であることや政治的意見のために生命・自由が脅かされる恐れ
のある領域へ追放・送還してはならない」と定めた国連難民協約の加盟国である
ため、当然、政府には彼らを保護する「国際的義務」があるわけだ。

 彼らの多くは難民申請をしているが、法務省は証拠不十分などを理由に国内法
だけに依拠して事務的に処理。難民資格のない場合でも人道的配慮から滞在許可
を出せる法相の裁量権も発揮されないまま、強制送還の危機にさらされ続けている。

 人道や人権に敏感なはずの李明博政権が、果たすべき義務を無視してまで彼ら
を追放し続ける背景には、中国の圧力があったといわれる。06年に中国公安部部
長が訪韓し、韓国法相と会談した直後、それまで承認も却下もされずに保留状態
にあった難民申請のうち約20人が突然却下された。09年4月には中国共産党政治
局常務委員の一人が訪韓した直後から本国への強制送還が始まった。いずれも法
輪功学習者の追放を強く迫ったためとの見方が出ている。

 韓国としても中国人観光客の急増や中国が最大の貿易黒字相手国であるなど、
もはや中国と経済面で切っても切れない関係にある。反中系メディアとして知ら
れる新唐人テレビのある記者は「要請を断れば仕返しされる。追放は中国のご機
嫌取り」と話す。

 脱北者を北朝鮮に強制送還する中国を普段から批判してきた李政権としては、
韓半島と中国を舞台に「もう一つの強制送還」をもたらしたという極めて不名誉
な立場に立たされてしまった。

 ところで、この問題に関しては大手メディアも政府とさして変わらない。特に
保守系なら飛び付くようなネタであるにもかかわらず、ほとんど報じないのが
“目立つ”ほど。関係者によれば「北京支局を閉鎖させられるといった報復が怖い
ため」という事情があるようだ。

 今年に入り難民資格を認める最高裁判決や行政裁判所による難民認定不許可処
分取り消し命令など「法輪功保護」の司法判断がようやく出始めているが、まだ
数多くが強制送還と背中合わせの生活。同学会報道官は「政策的に彼らの人権を
擁護することが急がれている」と訴えた。  <世界日報>

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